2015.12.30更新

昨日に引き続き、税制改正大綱の消費税関連のまとめです。

消費税の軽減税率に関する内容が中心となります。

制度が複雑になり、インボイス制度のあり方には、益税問題など今後議論すべき必要性を感じます。

 

Ⅳ.消費税

1.軽減税率
(1)制度の概要
平成29年4月1日から飲食料品と一定の新聞について8%の軽減税率を導入する。また、複数税率制度の下において適正な課税を確保する観点からインボイス制度(適格請求書等保存方式)を平成33年4月1日から導入する。

(2)対象品目
(ア)酒類及び外食を除く飲食料品
(イ)定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞

2.インボイス制度導入までの経過措置
(1)請求書等の記載
消費税の仕入税額控除において、インボイス制度導入(平成33年4月1日)までは現行の請求書等保存方式を維持する。ただし、軽減税率対象品目に係る請求書等の記載事項として下記2点を追加する。なお、下記事項については、当該請求書等の交付を受けた事業者が事実に基づき追記することを認める。
(ア)軽減対象課税資産の譲渡等である旨
(イ)税率の異なるごとに合計した対価の額

(2)中小企業者の簡便計算
基準期間における課税売上高が5,000万円以下である事業者のうち、売上又は仕入を税率の異なるごとに区分することが困難な事業者は、平成29年4月1日から平成33年3月31日までの期間、売上税額又は仕入税額を一定の簡便法な方法により計算することができる

(3)中小企業者以外の事業者の簡便計算
売上又は仕入を税率の異なるごとに区分することが困難な事業者のうち、基準期間における課税売上高が5,000万円を超える事業者は、平成29年4月1日から平成30年3月31日の属する課税期間の末日までの期間について、売上税額又は仕入税額を一定の簡便的な方法により計算することができる。

3.インボイス制度
(1)インボイス制度の概要
原則として、事業者(免税事業者を除く)のうちインボイス交付事業者として税務署に申請し登録を受けた事業者から交付されたインボイスを保存する場合に限り、消費税納税額の計算において仕入税額控除を適用できるものとする。ただし、公共交通機関や自動販売機等からの一定課税仕入れは、帳簿への記載のみで仕入税額控除が認められる。なお、平成33年4月1日以後に事業者が行う資産の譲渡等から適用する。

(2)免税事業者からの課税仕入れに係る経過措置
インボイス制度導入後に免税事業者から行った課税仕入れについては、下記期間に限り一定の請求書等の保存を要件に下記金額を仕入に係る税額として仕入税額控除する。

H33.4.1~H36.3.31  課税仕入れに係る消費税額×80% 
H36.4.1~H39.3.31  課税仕入れに係る消費税額×50%

4.高額資産を取得した場合の仕入税額控除の見直し
(1) 簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に高額資産(税抜1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産)の課税仕入れ等を行った場合には、高額資産の課税仕入れ等の日の属する課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間までの間は、免税事業者制度及び簡易課税制度を適用しない。

(2) 自ら建設等した資産については、建設等に要した費用の額が税抜1,000万円以上となった日の属ずる課税期間から当該建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間において、上記(1)の措置を講ずる。

(3) 上記改正は、平成28年4月1日以後に高額資産の課税仕入れ等を行った場合について適用する。ただし、平成27年12月31日までに契約を締結している場合は適用しない。

Ⅴ.その他

1.機械装置に係る固定資産税の軽減
中小企業者等が平成31年3月31日までの間において、一定の機械装置の取得をした場合には、当該機械装置に係る固定資産税の課税標準を最初の3年間価格の2分の1とする。

2.国税クレジットカード納付の創設
国税の納付手続について、平成29年1月4日以後の納付分からクレジットカードによる納付を可能とする。

3.加算税の見直し
加算税制度を見直し、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税から下記を適用する。

(1) 税務調査に係る事前通知後からその調査による更正等を予知する前までの間に修正申告又は期限後申告を行った場合の加算税の税率を引き上げる。
ただし、相続税等について遺産分割が確定するなどして任意に行う修正申告等、源泉所得税の不納付加算税等は引上げの対象としない。

区 分          現行       改正案
過 少 申 告       0%      5%(10%)
無 申 告         5%      10%(15%)
※( )書は、加重される部分に係る加算税の割合。例えば過少申告の場合、期限内申告納税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分が( )書の税率となる。

(2) 過去5年以内に無申告加算税(更正予知に限る)又は重加算税を課された者が、再び無申告又は仮装・隠蔽に基づく修正申告書の提出等を行った場合は、加算税10%重くする。

区 分          現行        改正案
無申告加算税     15%(20%)   25%(30%)
重加算税       35%        45%
重加算税(無申告)  40%        50%

 

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なぜ税理士が必要なのか

投稿者: 藤垣寿通

2015.12.29更新

平成27年12月16日、政府与党から税制改正大綱が発表されました。

重要な項目についてまとめました。

ポイントは、

①法人税率の引き下げのこと

②消費税の軽減税率のこと  です。

記事を2回に分けました。

今回は法人税、所得税、相続税についてです。

 

Ⅰ.法人税等

1.実効税率の引き下げ
平成28年4月1日以後に開始する事業年度から法人税の税率を23.4%(現行23.9%)に、平成30年4月1日以後に開始する事業年度から23.2%に引き下げる。
国・地方を通じた標準的な法人実効税率は、平成27年度の32.11%から29.97%(28年度)に、さらに29.74%(30年度)に下がります。

2.減価償却の見直し
現行では定率法を選択できる建物附属設備、構築物及び鉱業用建物について、平成28年4月1日以後取得の資産から償却方法を定額法に一本化する(所得税においても同様とする。)

3.生産性向上設備投資促進税制の縮減・廃止
先端設備や生産性の改善に資する設備を取得した場合の特別償却又は税額控除の制度について、期限通り縮減・廃止する(所得税についても同様とする。)

4.少額減価償却資産の損金算入特例の延長
中小企業者等が取得価額30万円未満の減価償却資産を取得した場合の全額損金算入の特例について、対象となる法人から従業員数1,000人超の法人を除外した上、適用期限を2年(平成30年3月31日までの取得)延長する(所得税についても同様する)。

5.欠損金の繰越控除制度の見直し
(1)資本金1億円超の法人等の繰越欠損金の控除限度額を段階的に引き下げる。
(2)繰越欠損金の繰越期間を10年(現行9年)に延長する措置の適用期間を1年遅らせて、平成30年4月1日以後開始事業年度に生じた欠損金からとする。

6.企業版ふるさと納税の創設
青色申告法人が、平成32年3月31日までの間に、地方公共団体が行う地方創生を推進する上で効果の高い一定の事業に対し、寄付金を支出した場合には、現行の寄付金算入措置に加えて税額控除を創設する。


Ⅱ.所得税等

1.相続した空き家に係る譲渡所得の特別控除の創設
相続開始直前において被相続人の居住用の用に供されていた家屋(相続開始直前で被相続人以外の居住者がいないもの)及びその土地等を相続により取得した個人が、相続開始日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに家屋の譲渡若しくは家屋と土地等の譲渡、又は家屋を取り壊して土地等のみを譲渡した場合には、譲渡益から3,000万円を控除することができる(住民税の計算も同様。)

2.住宅の三世代同居改修工事等に係る特例の創設
所有する自宅に三世代同居改修工事等をして、平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間に、居住の用に供したときは、所得税の税額控除を適用できる。

(1)借入金で改修工事等を行った場合
増改築等に係る住宅ローン控除の対象に追加し、住宅ローン年末残高(限度額1,000万円)に応じ、税額控除を適用する。
三世代同居改修工事は、 ローン残高250万円まで   控除年最大5年 控除率2%
上記以外の改修工事は、 ローン残高1,000万円まで  控除年最大5年 控除率1%

(2)自己資金で改修工事等を行った場合
三世代同居改修工事に係る標準的な工事費用相当額(250万を限度)の10%に相当する金額を居住の用に供した年分の所得税額から控除する。

3.居住用財産に係る譲渡所得の特例の延長
下記の居住用財産の譲渡に係る特例の適用期限を2年(平成29年12月31日まで)延長する。
①特定居住用財産の買替え等の場合の長期譲渡所得の課税の特例
②居住用財産の買替え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
③特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

4.市販医薬品に係る医療費控除の特例の創設
健康の維持増進及び疾病の予防への一定の取組を行う個人について、平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間における一定の医薬品の購入費用の合計額年12,000円を超える場合、その購入費用のうち12,000円を超える額(88,000円を限度とする)を所得から控除する。

5.通勤手当の非課税限度額の引上
通勤手当の非課税限度額を現行の月10万円から月15万円に引上げる。なお、平成28年1月1日以後に支給を受けるべき通勤手当について適用する。


Ⅲ.相続税・贈与税

1.贈与税の配偶者控除に係る申告書添付書類の見直し
贈与税の配偶者控除の適用に係る申告書の添付書類について、登記事項証明書に限るのではなく、居住用不動産を取得したことを証する書類(例えば贈与契約書も可)に変更する。平成28年1月1日以後に贈与を受ける財産について適用する。

2.農地等の納税猶予制度の期限確定事由の見直し
納税猶予の適用農地について、区分地上権が設定されている場合であっても、その農地で相続人等 が耕作を継続するときは、納税猶予の期限は確定せずに、納税猶予を継続する。平成28年4月1日以後の区分地上権の設定について適用する。

 

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投稿者: 藤垣寿通

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